
ティップランは、差が出やすい釣りだと感じています。隣ではポンポン釣れているのに、自分だけ穂先が何も言わない。そんな時間がけっこうある釣りです。
そういうとき、エギの色を次々に替えたくなる気持ちはよく分かります。ただ、抱かせるところ、アタリを取るところ、道具。釣れない理由は一つではありません。底が取れていないのか、抱かせる間がないのか、触ったのに気づいていないのかで、先に直すところは変わります。
「釣れない」を、船の上で見える症状に分ける
| 今起きていること | まず確認すること | 次に試すこと |
|---|---|---|
| 着底が分からない | 糸フケ、ラインの出方、合計重量 | 回収して入れ直す。必要なら重さを相談 |
| 同じ一投で何回もシャクっている | 落とし直しのタイミング | 1〜2回誘ったら回収して入れ直す |
| ステイ中も穂先が動き続ける | 自分の手元の動き、船の揺れ | 構えを安定させ、波の揺れ方を覚える |
| 穂先の変化がよく分からない | ラインの張り、竿と重さの相性 | エギやロッドを含めて船長に見てもらう |
| 触ったのに乗らない | アワセの強さとタイミング、カンナ | 迷わずしっかりアワセる。回収時に点検 |
| 船がほとんど流れない | その日の流し方と船の方針 | 待ち方や投入方法を相談 |
全部に当てはまる必要はありません。気になるところから見ていけば十分です。船長や隣の人に「どこが分からないのか」を伝えるときにも使えます。
底が分からないまま、シャクリで取り返そうとしない
糸を出し続ければ、いつか底に届くとは限りません。海中でラインが膨らんでいると、エギの位置と手元の感覚がつながらなくなります。
まず一度回収して、エギにラインやゴミが絡んでいないかを見る。入れ直しても着底が分からなければ、船の案内と照らして重さを変えます。軽さにこだわり続けるより、自分で底が分かる状態にするのが先です。
重さの考え方はエギの重さと追加シンカーへ。重くするときは、ロッドの適合重量を超えないこともセットで見ておきます。
落とし直しが少なすぎないか
これは、やっている本人がなかなか気づけないところです。
船が流れると、エギはどんどん底から離れていきます。一度底を取ったあと何回もシャクり続けていると、いつの間にかイカのいない高さを引いていることになります。
バリバスの相模湾の取材では、着底後は1回、長くても2回誘ったら回収する方針でした。富浦の取材記事でも、2回ほどやってアタリがなければ入れ直すとされています。手返しが面倒に感じても、こまめに落とし直したほうが、イカのいる層にエギがある時間は長くなります。
穂先が落ち着かないときは、自分で揺らしていないか
シャクリを止めたつもりでも、握り直しやハンドル操作で穂先を動かしていることがあります。止めたあとに自分が何をしているかを、隣の人に見てもらうと分かりやすいです。
竿尻を脇や腕に当てて手元を固定すると、穂先が安定しやすくなります。
波で船が揺れているときに、穂先を完全に止めるのは無理です。強引に固定しようとするより、波で揺れるリズムを先に覚えておく。そうすると、そのリズムと違う動きに気づけるようになります。
誘いから止めへの移り方で戸惑っているなら、基本の釣り方のステイの部分から読み直してみてください。
アタリが見えないときは、道具も疑っていい
「経験がないから分からない」で片づけず、使っている重さで穂先にどんな負荷がかかっているかを見ます。エギが重すぎたり、竿との組み合わせが合っていなかったりすると、同じように動かしているつもりでも見え方が変わります。
それから、引き込むアタリだけを待っていないか。ティップランで代表的なのは、イカが抱きついたときに、しなっていた穂先がまっすぐ戻る動きです。クレイジーオーシャンは、穂先がわずかに戻る「抜けアタリ」を逃さないことを強調しています。戻る動きを知らないと、目の前でアタリが出ていても見過ごしてしまいます。
道具を替えるなら、買う前にタックル選びで必要な条件を整理しておくと迷いにくいです。道具の差が出る釣りだからこそ、何が見えにくいのかが分かってから選びたいところです。
触ったのに、何度も乗らない
まず、回収したエギのカンナが曲がっていないか、ラインが絡んでいないかを見て、道具側の問題を先に除きます。
そのうえで、アワセを見直します。Hondaの解説ではしっかりアワセないと釣れない釣りとされていて、DAIWA船最前線も、的確なタイミングでないと乗らないか、乗ってもバレると書いています。迷って一拍遅れていたり、糸フケが出たままアワセていたりしないかを確かめます。
乗らなかったあとは、慌てて何度もあおらずに、テンションをかけたまま落とす。クレイジーオーシャンは、ここで早くテンションフォールに入れることが大事で、それでも乗らなければ底を取り直す、としています。
船が流れない日は、いつもの待ち方でいいか聞く
船の流れでエギを引く釣りなので、船がほとんど流れないと、いつものステイが成り立ちません。DAIWA船最前線の記事でも、潮と風の向きが逆で船が流れず、ティップランに向かない日があったと書かれています。
クレイジーオーシャンは、ドテラ流しが効かない無風のときに、軽量エギでキャストするティップランを紹介しています。ただ、船で勝手に投げ始めるのはやめておきましょう。キャストしていい便か、使う竿とエギで投げられるかを、先に確認してからです。
隣と同じエギでも、同じ条件とは限らない
釣り座や、船がポイントへ入る向きによって、エギが通る場所も変わります。バリバスの相模湾の取材では、大きい船ほど釣り座の差が出やすく、船の前から入るか後ろから入るかでも釣果が変わる、とされていました。
隣で釣れている人に聞けるなら、色だけでなく、重さ、シャクる回数、止めたあとどう待っていたか、どんな変化でアワせたかまで聞いてみます。同じエギを買えば同じだけ釣れる、とは限りません。自分の操作で真似できるところを探したほうが、次につながります。
釣れた数だけでなく、底が分かったか、どの重さを使ったか、どんなアタリだったかをメモしておくと、次の釣行で何を試すかがはっきりします。
よくある質問
ティップランで自分だけ釣れないのは腕の差ですか?
腕だけとは限りません。道具が合っているか、エギの重さ、落とし直しの回数、釣り座と船の流れ方も関わります。まず底が取れているか、止められているか、アタリが見えているかを一つずつ確認します。
船が流れないときはどうしますか?
船長にその日の釣り方を確認します。無風時は軽いエギを投げて引く方法もありますが、キャストしていい便か、周りの人との間隔、ロッドが対応しているかを確認してから行ってください。
釣れないときはエギの色から替えますか?
その前に、底が取れているか、誘ったあと落ち着いて止められているか、1〜2回誘ったら落とし直しているかを確認します。そのうえで色や種類を一つずつ替えると、変えたことと反応を比べやすくなります。
