タコは、釣ってからの扱いで持ち帰りの質がはっきり変わります。しかも船の上での判断は一瞬で、迷っている間にタコは暴れて墨を吐きます。乗る前に手順を決めておくと、当日まったく困りません。
結論:潮氷で動きを止めて、個別に入れる
船上でやることは、実はシンプルです。
- 抜き上げたら、すぐに墨と足の吸着に注意しながら外す
- 潮氷(海水+氷)に入れて動きを止める
- 落ち着いたら袋に個別に入れてクーラーへ
- 帰宅後にぬめり取り(塩もみ)と内臓処理
「締める」と言っても、魚のように神経締めをする釣りではありません。低温で動きを止めるのが中心です。
船宿によって、推奨する扱い方や用意してくれる道具(潮氷用のバケツ、袋など)が違います。当日のアナウンスが最優先です。
なぜ生きたままクーラーに入れてはいけないのか
理由は3つあります。
- 墨を吐く:クーラー内が墨だらけになり、他のタコにも付く。掃除も大変
- 体力を消耗する:暴れ続けたタコは身が痩せ、食味が落ちる
- 脱走する:タコは隙間から出ます。クーラーの蓋が甘いと本当に出ます
最後の一つは笑い話ではなく、実際に起こります。個別に袋に入れるのは、脱走防止としても意味があります。
潮氷の作り方と使い方
潮氷は、海水に氷を入れたものです。真水の氷水よりタコへのダメージが小さく、しっかり冷えます。
- 海水を汲んでから氷を入れる:氷だけの水(真水)に長く浸けない
- 冷やしすぎない:凍らせるのが目的ではなく、動きを止めるのが目的
- 釣れるたびに追加する:まとめて処理しようとすると、その間に暴れます
船宿が氷を分けてくれることが多いので、**クーラーと、潮氷を作れる容器(バケツやクーラーの一区画)**を用意しておけば足ります。
個別に袋へ入れる
動きが止まったら、ジップ袋やビニール袋に1杯ずつ入れます。
- 墨が他のタコに移らない
- クーラー内が汚れない
- 持ち帰ってからの処理がしやすい
- サイズごとに分けられる
袋は多めに持っていってください。足りなくて困ることはあっても、余って困ることはありません。
帰宅後:ぬめり取りと下処理
ここからは船の上ではなく、家での作業です。
- ぬめり取り:塩を多めに振って、しっかり揉む。ぬめりが白く浮いてくるまで
- 洗い流す:ぬめりが取れるまで、水を替えながら
- 内臓と目、くちばし(カラストンビ)の処理
- 茹でる/冷凍する:すぐ食べないなら、下処理後に冷凍
塩もみは想像よりも力と時間が要ります。揉み足りないとぬめりが残り、食感に出ます。洗濯機で回す、ペットボトルに入れて振るなど、いろいろな方法が語られますが、まずは手で揉んでみて、量が多いときに別の手段を考えるくらいで足ります。
よくある失敗
| 失敗 | 何が起きるか | 対処 |
|---|---|---|
| 生きたままクーラーへ | 墨まみれ・身が痩せる・脱走 | 潮氷で動きを止めてから |
| 真水の氷水に長時間 | 身が水っぽくなる | 海水に氷を入れる |
| まとめて袋に入れる | 墨が全体に回る | 1杯ずつ袋へ |
| 船上でぬめり取り | 時間と水が足りず中途半端 | 帰宅後にまとめて |
| クーラーの蓋が甘い | 脱走 | 袋に入れる+蓋を確実に |
まとめ
- 船上でやるのは潮氷で動きを止めることと個別に袋へ入れることの2つ
- 生きたままクーラーは、墨・身質・脱走の3つで損をする
- ぬめり取りと内臓処理は帰宅後
- 船宿の指示があれば、それが最優先
タコ釣り全体の流れは東京湾の船タコ入門ガイドにまとめています。クーラーや持ち物の準備はオフショア初心者の持ち物・服装リストも参考にしてください。